成功率は見方によってかわる
よく「私のインプラント治療の成功率は99%」と、一般の統計
より好成績であるかのようにおっしゃる先生がおられます。
成功率が高ければその先生の腕は確かなように聞こえますが
本当なのでしょうか。
その先生が、ご自分が手がけたインプラント治療のすべてを追跡
調査していれば、本当といえるのでしょうが、実際はそのようなこ
とはありません。不思議なことに、患者さんの多くはご自分が受け
たインプラント治療がおかしいと判断すると、施術した担当の医師
にではなく他の医師に相談する傾向があるのです。
ですから私の所にもいろいろな相談がありますし、もしかしたら
私が行った治療も他のの先生の手で再治療となっている可能性
もあります。
私自身、とてもすべての追跡調査はできていないのです。
そうすると医師が把握しているのは、失敗しなかった症例がほ
とんどということになります。
技術がなく失敗を繰り返しているのに、患者さんが転院するから
それが表面化しない医師の成功率も高くなってしまいます。
インプラント治療には、誰が行なっても成功する簡単な症例があり
ます。
すると難しい症例を最初から行なわない先生であれば、成功率は高く
なります。
しかし難しい症例、たとえば骨が少なかったり歯周病のリスクが高い
方への治療にチャレンジすると、ときにうまくいかないこともあるでしょう。
当然成功率も落ちていきます。
ですから単純に成功率を問う前に、どのような症例に対して成功
率が何%であったのかを調べる必要があるのです。
しかしその種の調査を実施して信頼するに足るデータを集める
ことは、とても困難です。
多くの症例を手がけることのできる、技術のある歯科医師なら、
全体として95%強の成績に落ち着きます。
この水準は世界的にも共通しています。
「便りがないのは元気な証拠」といいますが、もし99%とおっしゃ
る先生が追跡できていない分まで成功に含めているとしたら、あま
りにも都合の良すぎる話ではないかと思うのです。
成功率の高さは必ずしもその先生の技術力を反映するものでは
ないことを知っておいてください。
もちろん,成功率が低いことはよくないのですが。
